第17章 掌の上
しばらくの間、
リオとアルミンは
分厚い本を数冊開き、
ノートやその本を睨みながら
よくわからない単語を言い合っている。
一方ナイルは読みかけの本に
目線を落としていたものの、
どうにも正面にいる2人に
意識が行き、
その文字列が脳に入ってくることはなかった。
「アルミン、キリいいしちょっと休憩しよう?」
「はい。あー疲れた……」
アルミンはクタッと
机に突っ伏した。
「いつも思ってたけど
アルミンは理解力とか
着眼点がさすがだね。
なんか私全然役に立ってない気がする。」
「そんなことないです!」
アルミンは慌てたように
ガバッと身体を起こした。
「リオさんが隣にいてくれるだけで癒されます。」
アルミンは
少し照れたようにそう言った。