第17章 掌の上
「はい。アルミン、お茶。」
「ありがとうございます。」
アルミンにお茶を渡すと
満面の笑みを向けてくれた。
本当に可愛いと思う。
釣られて微笑みながら
アルミンの隣の席へ腰掛けようと椅子を引いた。
すると少し遅れて、
ナイルが私たちの向かい側に腰掛けた。
「へ?ナイルそこで何かするの?」
「あ?悪いか?
別に邪魔はしねぇよ。」
さっきから何か不機嫌。
元からヤキモチ焼きなのは
知っていたけれど、
あからさまに
ここまで態度に示すのは珍しい気がする。
ましてや、来客がいるのに。
何だか私までムッとしてしまい、
不機嫌な表情を隠しきれなかった。
「まぁまぁリオさん、
むしろ僕がお邪魔してしまってるんだし、
僕は気にしないですよ。」
アルミンはリオを宥める様に
椅子の背に置かれた
リオの手の甲を優しく撫でた。
「……ありがと、アルミン。」
アルミンの優しい手と、
柔らかい笑顔に
スッと肩から力が抜けた。