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師団長と妄想日記

第17章 掌の上




「ナイル、本当にやめて。
ここ見えるから。」


リオは
一瞬ゾクっと身体を震えさせながらも
ナイルを言葉で突き放した。


キッチンからは
アルミンの後ろ姿が見える。

裏を返せば、
向こうからも見えるということだ。


いくら関係性を
分かってくれているとはいえ、
見せつける趣味はない。


「本当に怒る。」


ナイルが一向に離れそうにないため、
少し語気を強める。

渋々ナイルは離れてくれたものの
表情は未だ険しい。


「大丈夫だから。ね?」


ナイルを見上げ、
宥める様に言った。


ナイルは大きく息を吐き、
リオの頭を軽く撫でた。


そんなナイルにリオは微笑み、
お茶とお菓子を盆に乗せて
リビングへ向かった。


キッチンでは
嫌な予感を拭えないでいる
ナイルの舌打ちと
再び漏れ出たため息が響いた。


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