第17章 掌の上
「リオ。」
「ん?ナイルどうかした?
……ってか離れて。」
リビングにいたはずの
ナイルがキッチンへ現れ、
何故か背後に密着してきた。
当たり前のように
手はお腹へ回される。
「男とか聞いてねぇ。」
ナイルの顎が肩に乗せられ、
不満そうな声がすぐ耳に届いた。
「言ってなかったっけ?
ごめんごめん。
でもアルミンはそんなんじゃないから大丈夫よ?
その辺の女の子より可愛いと思わない?」
何だ。
ただのヤキモチか。
それだけでアルミンが
うちに来てくれて良かったかも。
だなんて思ってしまった。
「あいつ何時に帰るんだ?」
「え?特にそこまで決めてないけど…」
「出かけるのやめた。」
そう言うと、
ナイルの唇が
そっとリオの首元に触れた。