第17章 掌の上
「荷物適当にその机のとことか
置いてていいからね。」
「お邪魔します。」
「いらっしゃい。」
リビングに入ると、
ナイルがこちらに気付き
パッと声をかけた。
「あ、彼がナイル。一応彼氏さん。」
「おい、一応ってなんだ。」
ナイルの
いつも通りな
ツッコミに笑いが零れた。
「初めまして。
アルミン・アルレルトです。
今日は急にお邪魔しちゃってすいません。」
「おう。適当にゆっくりしていってくれ。」
「あ、これ、
大した物じゃないんですけど、
お土産です。」
アルミンは、
お茶菓子の入った袋を
リオに渡した。
「わーありがとう!
別に気使わなくて良かったのに。」
「リオさんのお家に
わざわざお邪魔させてもらってるし、
彼氏さんにも
会わせてもらったのに
手ぶらなんて出来なかったです。」
アルミンの笑顔が
リオから
ナイルへと移動したと同時に、
ナイルは何か嫌なものを
その笑顔から感じずにはいられなかった。
「お茶入れてくるね。
その机のとこに
適当に座ってて。」
「はい。
ありがとうございます。」
リオは
アルミンから手土産を受け取り、
キッチンへと向かった。