第17章 掌の上
「……ちょっとここ来い。」
ナイルは
自らの膝をポンポンと叩き、
自分の上に来るように促した。
リオは言われるがまま
ナイルの足を跨ぐように
向かい合って座った。
「ん。」
ナイルは
リオの腰に腕を回すと
少し顎を突き出すように
何かを要求する。
「もう。」
ずるい。
ナイルのお願いは
いつも焦らして楽しむのだけれど、
そんな可愛いことを
されたら素直に答えてしまう。
リオは
ナイルの首に腕を回し
触れる程度のキスを
差し出された唇に落とした。
「もっと。」
「どうしよっかなぁ。」
「明日付き合ってやる給料。」
「それは卑怯。」
リオはそう言いつつ
ナイルの唇を楽しむように
キスをした。
腰に回された
ナイルの手にグッと力が込められ
身体が密着する。
それと同時に
啄ばむだけだったキスが
深いものに変わり、
お互いの熱を
交換するものに変わった。