第17章 掌の上
「明日どっか行くか?」
最近は仕事が多忙で、
休み返上で働いていたナイルに
そう尋ねられた。
「あーそれが、さぁ…。
明日、後輩をうちに連れてきても大丈夫?
勉強教えてって頼まれたんだけど。」
「あ、予定入ってんのか。
じゃあ邪魔しないように
どっか外出てくるわ。」
「……その後輩が
ナイルに会ってみたいらしい。」
リオは少し言い辛そうにそう言った。
「俺に?
何か変な風に噂してんじゃねぇだろうな。」
「違う違う。
ホントは明日ナイルも仕事休みだからって
断ったんだけど、
それならむしろ会ってみたいって
言われちゃって……
ダメなら今からでも断る!」
リオの慌てる様子を見て
ナイルはつい吹き出した。
「いやいや、大丈夫。
とりあえずいればいいのか?」
「うん。
なんかごめん。」
見世物にするようで
少し悪いな、と、
気分が落ち込む。