第16章 ごっこ遊び
もう一押し
楽しんでみようと思い、
私は立ち上がって
ナイルの膝に
跨るように座り
首に腕を回した。
「ねえ、
お兄ちゃんは
リオのこと好き?」
「……ったりめぇだろうが。」
そう返事はしてくれたものの
全力でナイルは
首を回し、
私の顔が見えないように
努力している。
じーっとその姿を見つめ、
首筋を甘噛みしてみた。
再び、
ナイルの身体が跳ねる。
「や、やめろ。」
「だってこっち向いてくれないから。」
「頑張って理性保ってんだよ。」
「我慢してるの?
珍しい。」
いつもなら素直に
手を出してくるのに。
「いや、なんか
この状況で襲ったら
背徳感がやべぇ気がする。」
「……確かに。」
ナイルの言いたいことは
すごく理解できた。
ごっこ遊びとはいえ、
このまま進んだら
何か危ない気がした。