第15章 師団長と腹チラ
「何、なんか不安だったの?」
止まらない笑いの合間を見つけて
ナイルに問いかけた。
「いや、
不安とかそんなんじゃねぇけどよ…
何があるかわかんねぇだろうが。」
しかめっ面の厳つい表情とは
正反対の可愛い発言に、
心打たれないはずはなかった。
「惚れ直すもなにも…
そんな余白がないよ。」
リオは
ナイルの膝に手を置き、
唇を舐めるかのように口づけた。
「ナイルの唇チョコ味。」
ナイルの顔が
熱を帯びるのが目で見て分かった。
「……お前が俺を興奮させてどうする。」
ナイルはその真っ赤な表情のまま、
リオからアイスのゴミを奪い、
自分のものと共にゴミ箱へ投げた。
「おい、行くぞ。」
手首を掴まれて、
立ち上がらされたと思うと、
ナイルは脇目も振らず
寝室へと向かった。