第14章 師団長と女の子の日
「ただいまー」
「あ、おかえりー」
「あ?飯作ってたのか?
おとなしく座ってろよ。」
なんだかんだこういう優しい部分に
惹かれてしまっているのだろう。
わからないなりの気遣いは
とても嬉しい。
「あと、これ。」
片手でネクタイを緩めながら、
ナイルが箱の入った袋を差し出してきた。
「ん?これ何?」
「ケーキ。
適当に選んじまったけど。」
「…今日なんか記念日だっけ。」
いろんな記念日を頭に巡らせる。
元々そんなに細かく刻んで
お祝いをすることはないけれど、
何かあったかもしれないと少し焦る。