第13章 師団長と雷
すると、
脱衣所の扉が
躊躇いなく開かれた。
その音に振り向くと同時に、
リオがナイルの腹部めがけて
ほぼタックルに近い勢いで
抱きついてきた。
「び、びびった……
リオ?」
「ナイル!!!
帰ってきてたんなら言ってよ!!!」
「え、いや、すまん。」
急なことに
ナイルの心臓が異様なまでに
鼓動を刻んでいた。
少し落ち着き始めた時に、
あ、俺帰ってきたの言ったわ。
とナイルは思った。
「っていうかリオ、
離れろ。濡れるから。」
癖で抱きしめ返しそうになったものの、
直前でやめ、
そう声をかける。
しかしリオから返事はなく、
代わりにナイルの胸の中で首を振り、
抱きつく腕に更に力がこもる。