第1章 15歳の誕生日
夏海SIDE
「ありがとうな。」
「な、何が?」
「信じてくれた事よ。」
「実際見たんだから、信じるしかな
いじゃん?」
「それも、そうだな。」
そう、お父さんが言うと家族3人で
顔を見合わして笑った。
ひとしきり笑った後、
「そうだ!!私も本当はこんな姿じ
ゃないっていってたよね?」
「ぁあ。俺たちと同じ言葉を唱える
と、元の姿になるぞ。今試しにやっ
てみなさい。」
「で、でも、怖い。自分の本当の姿
を見るのが。」
「大丈夫よ。夏海。私たちがついて
るから。」
「そうだ。嫌になったらまた何時も
の姿に戻れるから安心して唱えてみ
なさい。」
「分かった。…唱える言葉なんだっ
け?」
「「古よりまつわる炎の光よ。今、
この時こそ表となれよ/だ。」
「分かった。」
一回深呼吸して覚悟した。
「古よりまつわる炎の光よ。今、こ
の時こそ表となれ。」