第1章 15歳の誕生日
夏海SIDE
「人が幸せなのを憎む人がいたのよ。私達が信頼していた兵士でね、その兵士が私達が知らない間に5人を除いた兵士を味方につけていたのよ。あの時、ちゃんと気づいていれば、あんな事になんなかったのに!!」
そういった時、お母さんは大量の涙を流していた。
お父さんがお母さんの肩をさすって言った。
「それ以上は、俺が言う。もう、無
理すんな。1人の兵士がなぜ憎んだの
かは後から分かったんだが、あの兵
士はエストヴィアに兵士として働い
てた頃、別の国にいた家族が奴隷と
して捕まってしまったんだ。その知
らせをその兵士の友人から兵士に手
紙で知らされたんだ。その後、兵士
は誰にも相談せず、溜め込みすぎて
幸せなのを憎むという捻くれた考え
をもってしまったんだ。」
お父さんとお母さん、こんな辛い体
験をしていたんだ…。
味方に裏切られるのは辛いよね。
「そいうえば、どうやって5人以外
の兵士を味方につけたのかしら?」
「金だ。」
「100人以上いる兵士にあげるよう
な大金なんてどこから?」
「俺にも分からん。借金かなんかだ
ろう。」