第1章 真夏の大集合-in 赤司の別荘-
「さすがさん…赤司くんへのお願いがクッキーですか」
「しかも、たった数百円の得体の知れないクッキーなのだよ」
「バカっつーか天然っつーか」
「ホントそういうところ可愛いっスわ!」
「涼太くんうるさい」
「何で俺だけなんスか!?」
目をうるうるさせてさんに抱きつこうとする黄瀬君を赤司君が阻止した。
「じゃあ夜にでも食べるとするか」
「ありがとう征くん!」
会計を済ませ、スーパーの外に出たら日が沈みかけていました。
「夕焼けやばいっスよ!」
「うわぁ!綺麗だね…!」
「毎年、ここの夕焼けは都会よりも綺麗だよ」
「田舎の方が空気が澄んでいるからなのだよ」
「…てか早く帰んねーでいいのかよ。時間ねぇぞ?」
「え!?大輝くん今何時!?」
「7時」
「帰ろう!」
さんが駆けだしたのを合図に一斉に走り出します。
先に走り出したさんを黄瀬君があっと言う間に追い抜き、何故かスピードを緩めません。
「青峰っち!先に家に着いた方が勝ちっス!」
「勝ったら何が貰えんだよ」
「えーっと…っちのケーキを沢山とか?」
「よし乗った!」
「何勝手に景品にしてんのよ!」
さんの叫びも届いていないのか、黄瀬君と青峰君は視界からいなくなってしまいました。
さすが現役バスケ部、の速さです。
「涼太くんと大輝くんが異様に速かった理由はそれか…」
「きーちゃん、青峰君に勝負仕掛けるの大好きだもんね」
隣を並んで走るさつきさんが苦笑いします。
確かに部活の時も何かと大輝くんと争ってるな…。
「あたしがケーキ沢山焼くしかないね」
「頑張って!、私も手伝っ」
「いえ大丈夫です」