第1章 真夏の大集合-in 赤司の別荘-
一日目、二日目と楽しい時間はあっという間に過ぎ、今はもう帰りの車の中。
(車は赤司君が出してくれました)
「なんか早かったっス。もう一泊ぐらい出来ないんスか?」
「明日からまた部活なのだよ」
「ハードスケジュールだよねぇ相変わらず」
「疲れを吹き飛ばす、怖い話でもしようか」
「「「「………え?」」」」
仰天の言葉が飛び出した赤司君の方を見ると、早速電気を消し、懐中電灯を点けた。
「あ、赤司…冗談言うなんて珍しいじゃねーか…」
「じゃあ僕からいきます」
「テツ!!?」
「テツ君の怪談!?」
「喜ぶとこじゃないっス桃っち!」
「…昔この辺りには人の魂を喰う女がいたそうです」
「ちょっ、テツまじやめて」
「魂を喰われた人は死体すら残らず、存在自体が消えてしまうのです。その女は今もこの世に存在して人の命を……」
その途端、黒子君の姿が皆さんの目の前から消えました。
怪談話通りの現象が起きてしまったのです。
「きゃあああ!!テツ君!?」
「おおおいテツで、出てこいよ早く!」
「峰ちん暑い~。くっつかないでよ」
「みんな慌てすぎ…」
「そうだな。テツヤ、もういいだろう」
赤司君がそう呼びかけると、次の瞬間、再び黒子君の姿が見えました。
「ただのミスディレクションです。良い反応してくれてありがとうございます」
「…………」
沈黙の数秒後、青峰君が黒子君の首に腕をまわしました。
「テメーミスディレ悪用してんじゃねえよ!!」
「あ、お峰君…くるし…」
「青峰っちもっとやるっス!」
「おうよ!」
「さ…助け…」
最後までわちゃわちゃして帰った皆さんでした。
明日からも部活頑張って下さいね♪