第1章 真夏の大集合-in 赤司の別荘-
「ケーキに入れたら美味そうじゃないか」
「えええ…ケーキにマシュマロは新しいかも…」
「でも、美味しそうですね」
「うん、面白いかも!」
「ちんマシュマロケーキ作って~」
黒子君、さつきさん、紫原君と次々と賛成派が増え、空気を察知したさんは、そっと赤司君を見ました。
「征くん、あの、作ってもいいけどその代わりにお願いが…」
「何だい?のお願いなら大歓迎だ」
「まままさかっち、ハグしてとかキスしてとか言うつもりじゃ」
「何言ってんのよ!違う!!」
ギャーギャーとうるさい外野の声を意識的にシャットアウトして、もう一度赤司君に向き直ったさん。
赤司君は相変わらず優しい顔でさんの言葉を待っています。
「征くん」
「何だい?」
「マジカルクッキー買って下さいっ!!」
「………え」
パンッと手を合わせ必死に頼み込むさんに赤司君は目を丸くさせました。
黄瀬君ほどではないけれど、赤司君だって、ソッチ系のお願いを期待していなかったと言えば嘘になります。
どんな可愛いお願いがくるかと思いきや、マジカルクッキー。
確かに先程却下したとき残念そうな顔をしていたが、そこまで欲しかったとは…。