第1章 【一大事】妖怪町
「あ、ああ。見たよ。可哀想だったなあ。それがどうした?」
男はふっふっふーんと自慢げに笑い自分を、指差す。
「あれ、ワシ。」
「はい?ワシって...へ?」
「人間は鈍いのう。ワシはあの引かれた可哀想な狐ちゃんで、天狗様が蘇させてくれたのじゃ。今度は『化け狐』としてな。」
すらすらと語っているが何が何だかさっぱりだ。妖怪用語が次々と。
「狐...化け狐...天狗様...」
きっと今の僕を漫画のようにするのなら目がぐるぐるになっているだろうな。
そしてなんとか、平静を取り戻した。
「化け狐...がなんでここに?」
「あー、そうそう。本題言うの忘れとったわ。」
と全裸の男はくるっと一周回るといつの間にか着物を来ていた。そしてその着物の懐から一枚の紙を取り出した。
それを広げて僕に見せてきた。僕はそれを、たんたんと読む。