第4章 【妖怪町】旅館
自分の部屋に戻ると僕はすぐに風呂の準備をした。明日から仕事だしそれにさっき触られたところを一刻も早く洗い流したいからだ。
風呂の準備をすると僕は大浴場がある場所へと移動した。
風呂につくとそこにはポツポツと妖怪たちがいる、という感じだ。
賑わっている、という感じではない。
僕は風呂用の椅子に座って髪の毛や体をゴシゴシと洗った。
そしてすべてが洗い終わったあと浴槽に浸かった。
ぴちゃぴちゃぴちゃぴちゃ
という音が聞こえたので音のするほうへ顔を向けるとそこには浴槽の隅などを舐めているやつが。
「あ...あのー、何してるんですか?」
と声をかけるとその人は舐めるのをやめて、こちらに視線を向ける。
「見りゃわかんだろ。風呂の垢をとってるんだ。」
「垢?」
「そう。オイラは垢なめで垢を舐めて綺麗にする妖怪だ。だから今も綺麗にしている。」
そう垢なめはいうがそんなにペロペロされていると逆に汚くなるんじゃないかと思ってしまった。
僕は浴槽からでて、着替えて自室へ戻り布団のなかに潜った。
いよいよ明日から仕事だ。いろんな人に認められるくらい信頼が厚い人になるために、頑張ろう。
僕は静かに目を閉じた。