第7章 異変
が電話に応答して数秒。
「……………………」
「なぁ……おい?」
あっちからの応答が無くなった。
(電波状況悪いのか……?)
冷静に状況判断をしようと心がける。
だが。
そんな一般の思考では考える事はほぼ不可能である出来事が起こることになる。
「……おい。もしもし?」
そう尋ねた直後だった。
バラバラバラバラバラバラッ……!!!!!!!!!!!!
「!?」
突如、耳を劈(つんざ)くような騒音が頭まで響いた。
そしてその音は携帯の向こうから……ではなく、
(……外……!!)
急いで窓際に駆け寄り窓を開ける。
「うわっ……!」
外では嵐のように風が吹き荒れている。
突風が吹き込んできた勢いで、室内に掛けてあった絵がガタガタと揺れた。
だが今はそんな事気にしていられない。
は窓から顔を出し、上を見上げた。
すると、
バサッ……!!
……目の前に縄ばしごが降りてきた。
「……!?」
再び空に目を向ける。
「……!!……うそ……だろ……」
唖然とする。
口をあんぐりと開き、そのまま静止している。
……普通ならそうだ。
……まさか自分が普段住む平和な住宅街。
その上空に【ヘリ】があるなんて誰が考えるのか……
呆然としている間に、【ヘリ】から降ろされた縄ばしごを降りてくる者がいた。
「……あ。」
降りてきた奴と目が合った。
「……ちゃん!」
「……高尾……センセイ。」
そう。
ついさっきまで電話していた(?)高尾だった。