第7章 異変
バラバラバラバラバラバラ……!!!!!!!!!!
上空で唸る轟音。
暴風によって荒れた部屋。
そして
「ちゃん!来て!」
……突然の来訪者。
「……っ」
しかし、は動こうとはしなかった。
声をかけられてもなお、窓辺に佇んでいた。
(……なんでこっちが振り回されなきゃいけないんだ……っ!)
……ただ、その一心で……。
「っ……!」
ぐっ、と拳を握り締め、高尾を睨みつけた。
言いたい事は山ほどある。
そして、
「……おい。」
文句を言うために、口を開いた。
……はずだった。
「!!」
いきなり、強い力に身体を引っ張られる。
の身体は諸にその影響を受け、窓の外へと身体が傾いた。
(落ちるっ……!?)
そして。
ふわり
……身体が軽くなった。
(あれ……。……落ちて……ない……?)
状況判断ができない。
自分が今どうなっているのか。
何故、視界が閉ざされているのか。
しかし、鼻腔を擽(くすぐ)る爽やかで優しい匂い。
……この匂いは……
……あぁ。
「ちゃん、大丈夫?」
……そっか。
「……何してんだよ……高尾。」
「ん?」
「……なんで……」
なんで俺は、
高尾に抱きしめられてんだよ。
バラバラバラバラバラバラ……!!!!!!!!!!
「……っ」
まさか自分の鼓動が高鳴っているなんてこと、
が認める訳なかった。