第8章 正体。
バラバラバラバラバラバラ……!!!!!!!!!!
連続的に響くうるさいプロペラ音の中、はぼそりと呟いた。
「……ありえない……」
「……なんだ?」
「……別に、何も。」
しかし、そんなの声はしっかり聴こえていたようだ。
「……僕を馬鹿にしているのか?君の声を僕が聴き逃すとでも?」
「……いえ……」
……この、とんでもなく人間離れしているウチの校長には。
バラバラバラバラバラバラ……!!!!!!!!!!
(……どこに連れてくつもり……?)
足元へ静かに目を向ける。
口に出さない疑問は、ただ心にモヤモヤと霧を作っただけだった。
この時、は気付かなかったのだ。
……赤司が密かに口角を上げた事を。