第3章 【目に星が飛んだ話】
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「……で、お前は餌付けされて毎日そいつの家にあしげく通ってる訳か」
僕の目の前に仁王立ちするキドが、腕組みをして厳しい表情のまま僕を見下ろしていた。
その背後で、セトが心配そうにオロオロとこっちを見ている。
そう、只今の僕は絶賛お説教中だ。
正座をさせられ、ここ最近の外食頻度を問われて神薗さん家で世話になって居ることを薄情する羽目になった。
…と言うのも、キドの容赦ないかかと落としを5回も脳天にくらえば、僕の貧弱な体は易々と音を上げてしまうのだ。
「…まさか、能力の事は話してないだろうな」
低い声で、唸るようにキドが言う。
僕は視線を宙にさまよわせてから、陥落した容疑者のように全てを白状した。
能力が発動した瞬間を見られた事。
その後も能力が解除されず、混乱を極めていたところを自宅で保護された事。
出された食事を食べた事。
変身が解けて、ようやく帰ってこれた事。
「また来て良いって言ってくれたからさ。お言葉に甘えただけで」
僕の言葉に、セトが大きく反応した。
キドの後ろから勢いよく身を乗り出す。