第7章 誰も知らない
リヴァイ達が出立した頃、
リアはベッドの傍にある花を眺め、リヴァイのことを考えていた。
リアの記憶はたとえ今日何かを覚えても明日には消えてしまう。
だから一週間毎日リヴァイが訪れ、花を一輪ビンに差して行くことも知らない。
先ほど来た人が誰かわからない。
たしかその前にも誰か来て私に何か話していた。
…みんな悲しい顔をしていた。
どうしてだろう。
周りを見渡す。
今自分がどこにいるのかわからない。
今見えている物も、聞こえている音も本当にあるのだろうか。
自分にはわからないことばかりで、実は自分自身も本当はいないのではないだろうか。
考えていくほどに頭の中には疑問と不安がどんどん溜まってわからなくなる。