第7章 誰も知らない
調査出発前
観衆がそれぞれに調査兵団の皮肉や歓声をあげる中、調査兵団は張り詰めた緊張感の中馬の上で何を思うのか。
リヴァイは空を見上げた後、ただ一転を見つめていた。
「兵長?どうかしましたか?」
「ペトラか。いや、なんでもない。」
ペトラ・ラル。
彼女はリヴァイ率いる特別作戦班の一員だ。リヴァイからの信頼も、リヴァイへの忠誠も厚い。
しかしそんな彼女すら知らない。
リヴァイが見つめる先に兵舎があることも。
そこにいる誰を思っているのかも。
それぞれに思いを持ち、
彼らは人類を守るために危険な外へと向かう。
いつ、何が起きるかなんて誰も知らない。
誰にもわからない。