第6章 空虚と決意
「俺の代わりはいくらでもいるよ。だがリアは1人だ。ならば俺がすべきことは決まっているだろう。」
「…クソが。」
表情を変えず話し続けるエルヴィンに、リヴァイはそれ以上何も言えなかった。
ふとエルヴィンは床に目をやると、落ちているバラバラになったビンの欠片を拾い始めた。
それを見ていたリヴァイは、先ほどまでリアが泣き叫んでいた様子を思い出す。
「……アイツは、いつもあんななのか。」
エルヴィンは欠片を集める手を止めずに口を開く。
「いや、初めてだ。リヴァイと何かあったかと来てみたが…あの様子だとタイムリミットが今日だったんだろう。」
「…タイムリミット。」
エルヴィンはガラスの破片を持つと部屋を出て行った。
リヴァイは立ち上がり、リアが眠るベッドの側の椅子に腰掛ける。
「もう…遅すぎたのか?」
リヴァイは顔を歪めると、優しくリアの頭を撫でた。