第5章 飛翔
「本日アロイス様はご多忙のため欠席されておりますので、何かございましたら私にお申しつけください。」
ほら、やっぱり。
私の旦那様は女だったらだれでもいいってことじゃない。
リアは小さく溜息をつくと再び笑顔を無理矢理に作る。
「私は大丈夫です。お体にお気をつけくださいとお伝えください。」
私もこの人も嘘ばっかり。
下を向いて考えていると、声をかけられる。
「それにしてもリアさんはお美しいですね。肌も白くて、成人を迎えていないとは思えないお顔立ちだ。」
リアは偽りの笑顔で微笑み返す。
部屋から出たことが無いのだから白いに決まっているじゃない。
それに遠回しに老け顔って言ってるじゃないの。
…私この人嫌いだ。
しばらくすると、両親2人が部屋を後にしてエルヴィンさんともう1人と3人になってしまった。
話すことがなく静まりかえってしまう。