第4章 翼を持たない小鳥はずっと
ロイが死んで3年。
リアはロイが死んだ時と同じ16歳になっていた。
ロイお兄ちゃんのいない世界は
真っ暗だった。
ロイを失った両親は酒に溺れて仕事も上手くいかなくなっていた。
使用人が次々といなくなっている。
しかしリアはそれが全て自分とは遠い世界に感じていた。
トントン
ノックが聞こえるが、リアは扉に目を向けるだけで表情一つ変えない。
使用人が扉を開けると、入ってきたのは明らかにやつれた父親だった。
「リア…お前に縁談話がある。
お前の結婚で家を持ち直すんだ。
わかっているな。お前に全てかかっているんだ。」
今まで散々自分を邪魔者にしていたくせによくそんな事が言えるな。
リアは返事をせずに俯いていた。
「…聞いているのか!このゴミくずが!」
頬への衝撃と強い痛みで我にかえる。自分は今殴られたのか…。
それでもなお何も感じない自分は本当に狂っているようだ。
そんなことを考えていると不思議と笑いがこみ上げてくる。