第4章 翼を持たない小鳥はずっと
どうやら両親が手をまわしたらしく、16歳の少年にはあまりに大きすぎる盛大な葬儀が自宅で直ぐに行われることとなった。
リアは涙をぐっと耐えながら喪服を着ようと動き始める。
すると扉がすーっと開いた。
今日はやけに人の出入りが多いな…。
リアは扉の方を向くと、体を強張らせた。
「お…お父様、お母様。」
両親が2人揃って部屋を訪れたのはいつ以来だろう。
しかし2人の目はリアを貫く。
「あなた…どうして着替えているの。まさかとは思うけど、ロイ君の葬儀に出られるなんて思ってないでしょうね。」
「え…?」
母親から出た言葉はリアを闇へ突き落とすには十分だった。
「リア、お前は葬儀には出なくていい。」
「ど、どうしてですかお父様!」
「今日の葬儀には王の側近や憲兵のお偉い方々も多く出席なさる。そんな場所にお前が出ることは罰当たりだとは思わないか。」
「そんな…ですが、私は…。」
「なんて図々しい…。いいこと。あなたが出席することは許しません。」
扉は再びピシャリと閉じられた。