第4章 翼を持たない小鳥はずっと
次の日、ロイは早朝に馬車に乗り行ってしまった。
部屋を出ることを許されないため、ベッドの側にある窓から外を眺める。
後ろを振り返り私室を見渡す。
自分の世界はこの部屋だけで、これからもここから出ることはないだろう。しかし兄のいない部屋は色を失った監獄そのものだった。
「なんて寂しい部屋…。」
リアは俯いて小さく呟く。
頬には滴が流れていた。
夕方、いつものように1人夕食をしていた時。
使用人がバタバタと部屋に慌ただしく入ってきた。
そして使用人達は涙を流して言った。
「ロイ様が事故に会われて亡くなられました。」
リアは光と希望を同時に失った。