第4章 翼を持たない小鳥はずっと
それはリアが13歳の時だった。
リアは髪も伸び、あどけなさは残るが顔立ちは整っており美しい女性になっていた。
大人としか会話をしないせいか言動も大人びている。
ある程度の教養はつき一通りの学習を終え、毎日ベッドで本を読むことが日課になっていた。
一日部屋から出ない生活にも慣れてしまい、逆らうという考えさえ浮かばない。
「リア!合格した。これでお前に外を見せてあげられるぞ!」
扉を大きく開け走ってリアに抱きつくロイ。
後ろで使用人達がうろたえているが、ロイは話をやめようとはしない。
ロイは最年少の16歳で医師免許をとり、世間を騒がせていた。
そしてリアは世間に呑まれない兄を尊敬し、憧れをもっていた。
「外はすごいんだ。人はたくさんいるし、犬や鳥がいる。店がたくさんあっていい匂いがそこら中を漂ってる。」
リアは兄の話に想像を膨らませ、頬が緩む。
「やっぱりお前は笑顔が1番かわいいな。」
ロイは昔のようにリアの頭を撫でる。