第3章 孤独を埋めるもの
もうリヴァイが部屋を訪ねてこなくなってから2週間がたつ。
「…私ホントに嫌われちゃったみたいだ。」
誰もいない部屋で呟いてみるが、言葉は宙を舞うだけで返事はない。
リヴァイと会わなくなってからは人と会う機会もなくなり、あらためて自分は1人だと思いしらされているようだ。
人と会話することなく1人外を眺める毎日。
なぜかエルヴィンから仕事を渡されることもなくなり、自分の存在価値が無くなったようにも思ってしまう。
寂しさはリアの記憶にも大きく影響していき、記憶はどんどん欠落していった。
「リア、私だ。入るぞ。」
エルヴィンの声に扉の方へ顔を向ける。
ゆっくりと扉が開き、優しく微笑むエルヴィンに胸がキューっとして心から嬉しかった。
「エルヴィン団長!」
リアはベッドから飛んでエルヴィンに抱きついた。
「リア…危ないだろう…。」
しかし俯いたリアの顔を覗きこむと、エルヴィンは言葉を止める。
「泣いているのか。」
「独りには慣れてたはずなのに…
私は最近幸せになり過ぎていたみたいです。」
リアの目からはポロポロと涙が流れる。
「独りが辛い…。」
するとエルヴィンは力強くリアを抱きしめた。
「…団長?」
「…私ではだめか?」
リアは聞き取れず首をかしげる。