第1章 足の不自由な2人
部下を思うリヴァイは新兵ですら全員の名前は覚えているはず。
しかしこの女の顔は知らなかった。否、見たことがない。
「前に会わせたい人がいると言っただろう。」
エルヴィンはそう言うと、女に目で促した。
リヴァイがその目線を追って女を見る。
「リア・フランケルです。今は団長の補佐をさせていただいています。」
リアと名乗る女は、か弱そうな見た目とは裏腹にはっきりと喋る。
「俺はコイツを見たことがないが。てめえの補佐なら会っているはずだろう。」
「彼女は…訳ありでね。だが素敵な女性に間違いはない。」
エルヴィンはまた微笑む。