第1章 足の不自由な2人
「訳とはなんだ。人の部屋に押しかけといて焦らすんじゃねえよ。」
エルヴィンの話し方と他人をベッドに座らされたことで、リヴァイの苛立ちは限界だった。
「私歩けないんです、生まれつきらしいですが…。だから部屋にこもりっきりだったようなので、会っていないほうが普通です。」
どこか腑に落ちない話し方のリアに、リヴァイの眉間にはより深い皺が刻まれるばかりだ。
その様子にエルヴィンも口を開く。
「彼女には調査に出られない分、自室で雑務をしてもらっているんだ。食事や資料の運搬は定時に他の者に頼んでいる。
他に疑問はあるかい?」
リヴァイは諦めたように溜息をつき、足を組んだ。
「で、なんでコイツを俺に会わせたいと思った。まさかコイツに食事を運べとか言わねぇよな?」