第3章 孤独を埋めるもの
「なんか今日の兵長おかしくないか?」
そんな言葉が調査兵団中で囁かれるくらいに、リヴァイの心中は乱れていた。常にリアのことを考えてしまい集中できない。
指示を出すのを忘れていたり、明らかにスピードの落ちた動きに兵士達は不安にかられていたが、空気を読んで皆声をかけようとはしなかった。
「リヴァイー!何ボサーとしてるのさ。珍しいね、眉間のシワもいつもより深いや。」
訂正、1人だけいた。
「別に俺は普段通りだ。」
「ほら、蹴ってこないなんておかしいじゃないか。」
ハンジは腕を広げてほら!ほら!と、笑っている。
「…今はそんな気分じゃねえだけだ。後でてめえが望むだけ蹴ってやるからあっちいけ。」
リヴァイはハンジを避けるように顔をそらす。
「リア…元気かい?」
ハンジの言葉に少し反応してピクリと動いてしまう。
「元気なんじゃねぇか?俺よりエルヴィンの方が詳しいぞ。」
「リアのこと…もういいの?」
「黙れ。」
リヴァイの鋭い睨みにハンジは何も言えなくなり下を向いた。