第2章 運命は残酷で
「お前はどうする、リヴァイ。」
怒りが混じる話し方に、リヴァイは顔を上げないまま目だけをエルヴィンに向ける。
「……何がだ。」
「お前の気持ちはその程度かと聞いているんだ。」
エルヴィンはリヴァイの肩を掴む。
「私はリアを愛している。お前よりずっと前からだ。」
突然のエルヴィンの告白にリヴァイは目を開く。
「私はリアが部屋で孤独に沈まないようにお前に会わせた。リアに仲間を作ってやりたいという優越心からなのかもしれない。
だがリヴァイ、君にも弱者の脆さを知って欲しかった。
お前は強い。だがだからこそ背負うものがあり責任故の脆さがある。」
リヴァイは思うところがあり目を伏せる。
「…リアは弱い。肉体的にも精神的にもだ。だが弱者にも脆さがあり、それを認める強さを強者は必要とされる。
…弱者を切り捨てる強者にはなるな。」
「んなの、わかっている。」
「ならば今何を考えている。」
空気が鋭さをもつ。
「…足は完治しているんだろう。
明日から訓練に戻りなさい。壁外調査の日どりが決まった。」
リヴァイはエルヴィンの言葉と自分のモヤモヤとした気持ちに舌打ちをする。