第2章 運命は残酷で
昨日の夕食という誰でも一瞬悩みそうなことから、人の名前、フォークの使い方など通常なら忘れることのない日常的なことまで、様々な質問があった。
「あの…」
リアが怖々顔を上げる。
「どうかしたかい?」
エルヴィンは笑顔を作るが、横にいるリヴァイの表情には明らかに絶望が現れている。
「私…どこかおかしいんですか。」
「…君自身何か違和感を感じているのかい?」
「いえ、いままでと変わりありません。でも…リヴァイさん…辛そうだったから。」
エルヴィンがリヴァイに鋭い視線を送り、重く息を吐き出すとリアに再び目を向けた。
「リア、君は何も悪くない。
だが君が1番苦しむだろう。だが君は独りではないことを忘れないでくれ。」
エルヴィンはリアの心をなだめるように優しくリアの背中をさする。
若い兵士が付き添いリアが部屋に戻ると、エルヴィンは黙りこみ下を向くリヴァイに向き直る。
その様子を見てか医師は席を立った。