第2章 運命は残酷で
数時間たつと医師が部屋から出てきた。
リヴァイはフラフラと立ち上がる。
「アイツは…どうなんだ。」
「症状は落ちてるよ。明日には面会出来るだろうさ。ただ…明日団長と来い、話すことがある。今日はもう帰れ。足だって完治してねぇんだ。無理したっていいことねぇだろ。」
そう言ってため息をつくと医師は中へと戻って行った。扉が開いた時に隙間からベッドで眠るリアが見えた。胸が苦しい。
翌日、リヴァイはエルヴィンに事情を話し医務室へと重い足を進める。リアと会うことは確かに嬉しかった。意識が戻ったことも心から喜んだ。
しかし、リアの苦しみに気づいてやれなかった自分とリアは会って、どんな顔をするのか恐怖を感じていることも確かだった。
巨人を躊躇することなく殺してきた自分が1人の女に嫌われることにこんなにも怯えるのか。
気持ちの整理ができないまま医務室へと着き、エルヴィンが入っていく。リヴァイは顔を下げたまま部屋へ入り、リアのベッドの側へと進んだ。
ベッドで眠っているリアを確認すると、
「リアの様子は?」と
エルヴィンが静かな声で医師に尋ねる。
「団長と兵士長に心配してもらうなんて嬢ちゃん幸せ者だな。」
医師は椅子につくとリアの顔を見て微笑むが、すぐに表情が暗くなる。
「今は眠っているが安心していい。だが…。」
「だが…なんだ。はっきり言ってくれ。」
エルヴィンは真剣な表情で続きを促す。
リヴァイはリアが眠っていることを聞いて顔を上げ、リアの寝顔を見つめていた。