第2章 運命は残酷で
リヴァイは来た道を全速で駆け抜け調査兵団の本部に戻って来た。
馬を近くにいた兵士に預けると、リアを抱えて医務室へ走る。
朝抱きかかえた時も思ったが、こいつクソ軽ぃ。
その軽さが余計に不安を仰ぐ。
リアを医師に預けると、リヴァイは廊下でしゃがみこんだ。
自分が情けない…。
リアの苦しみに気づいてやれなかった。もしかしたら何かしら症状が朝からあったのだろうか。
自分勝手な優しさを押し付けリアを苦しめたのか。
不安が不安を呼び、胸が苦しくなる。リアはその瞬間何を考えていたのか。自分は恨まれても仕方が無いことをした。
リヴァイは腕を組んで顔を伏せた。
「こんなところでどうした。帰って来ていたのか。」
声が聞こえ顔を上げると、エルヴィンが書類を山のように抱えて立っていた。
リヴァイは歯をかみしめ下を向く。
「リアが…倒れた。」
「そうか…。彼女は、笑っていたのか。」
強く責められると思っていたため思わず顔を上げる。
次々と浮かぶリアの笑顔。
「あぁ…。」
「ならいい。リアの症状は誰のせいでもない。気に病むなよ。」
エルヴィンがそう言って去っていく背中をリヴァイは見つめていた。