第1章 足の不自由な2人
「…団長にお仕事を教えていただいて、やっと慣れ始めてきた時です。私がこんな体になったのは。」
リアの表情が暗くなっていく。
「その日は朝から兵士の方に付き合っていただいて、シガンシナまで日用品や文具を買いに出かけていたんです。
兵団のおつかいもありましたけど、自分の用もあって…随分久しぶりの外出だったので気が抜けていたんだと思います。」
「壁の近くにいたのか。」
「いえ、少し離れた店を出た時でした。大きな音と、たくさんの悲鳴が飛び交っていて…。
そこからは建物で壁は見えなかったので何が何だか…。
そこで私は気を失ったんです。」
リヴァイは目をつむっていた。
「気がついたらベッドの上でした。頭にたくさん包帯が巻かれていて。廊下からの声で知ったんです。巨人が壁を破ったって。」
リアは悲しそうに笑う。
それからは今のままですよ。
リヴァイは目を閉じたまま、そうかと呟くだけだった。