第1章 足の不自由な2人
その日からリアの朝食を運ぶのはリヴァイの仕事となっていた。
リヴァイも片足とはいえど足が不自由なため、ゆっくりと部屋へ向かう。
そして、エルヴィンがしていたようにリアを優しく起こす。
それから昼まで話しこむのが日課となっていた。
「最近は随分楽しそうだね。」
久しぶりにリアの部屋を訪れたエルヴィンは、リアのこぼれた笑みを見て、頬を緩める。
「えぇ。リヴァイさんが毎日いろんなお話をしてくださるんです。
外の話や人の話、馬の話。あと…」
「名前で呼ぶようになったのか…」
「はい!あ、毎日お花も摘んで来てくださるんです。」
「リヴァイが花か…。」
エルヴィンはリアのベッドの傍にある、ビンに挿された一本の黄色い花を見て、複雑に感じていた。
まだ生き生きとしている花は、先程までリヴァイが居たことを物語っているようで、余計にエルヴィンの心をかき乱していった。