第1章 足の不自由な2人
「なんて言われたんだ?」
リアは足をゆっくりとさする。
「君は自分の足で立つ前から立つことを諦めるのかって。君が嫌う君の全てを私にくれないかって。」
ほぼ告白じゃねぇか…。
アイツ、ガキを口説いてたのか。
リヴァイはエルヴィンの行動に呆れていた。
「嬉しかった…。私を認めて…私を見てくれたんです。」
リアの幸せそうな微笑みに、リヴァイは自分が複雑な感情を持っていることに気がついていた。
「団長が多くの人に同じことを言っていることはわかっています。私が特別な訳じゃない。
でも…それでも。私は私として見てくれたエルヴィン団長の役にたちたい。…」
…そうか。
リヴァイはリアの頭の上に手を置いた。
「リヴァイさん?」
「…あんまり気負うな。」
「…はい。」
リアはこれがリヴァイなりの優しさだと感じ、大人しく頭を撫でられていた。