第1章 足の不自由な2人
「リア、ならお前から話せ。」
土下座していたリアの顔を両手で掴み、自分の顔に近づけた。
リアの顔がどんどん赤くなっていく。リヴァイは優しい表情で、
「なに赤くなってんだよ。」
と笑っていた。
「わ…私、こんなに男性の方と近くで話すのは初めてなんです…。」
「そうか。なら俺が慣らしてやるよ。」
「あ、ありがとうございます…。」
と、再び土下座していた。
リヴァイは予想外のリアの反応に、首の後ろを掴んで呆れたように笑っていた。
「断片的にしか覚えていませんが、私は…小さい頃シーナに住んでいました。」
リアの言葉にリヴァイは少し反応した。
「貴族だったのか。」
リアは自分の膝に爪を立てて掴んでいる。
「…父の仕事がたまたま上手くいっただけの成り上がりです。
昔は優しかった両親も、お金が増えると変わっていきました。両親と言葉を交わすことは無くて、いつも周りのことは使用人に任せてばかり。
家から出ることも、誰かと会うことも許してはくれなくて、ずっと1人ぼっちで…。
毎日大人に囲まれて勉強ばかりで…でも、こんな脚だから逃げることもできなくて。」
「でも、その頃です。団長が声をかけてくださったのは。」
先程とは裏腹に、嬉しそうに笑うリアにリヴァイも自然と笑顔になる。