第1章 足の不自由な2人
エルヴィンは医者を連れて出て行ってしまった。
…怪しい笑みを残して。
リアはベッドに座ったまま本を読みだしていた。
リヴァイは深い溜息をつく。
「おい!女。」
「女じゃありません!リアです!」
「なんだ、てめえ女じゃなかったのか。」
リアはそう言われ顔を赤くする。
「お、女ですよ!男に見えますか!」
ブツブツと文句を言うリアに、リヴァイは自然と笑みがこぼれていた。
「なんだ…兵長って笑うんですね。」
リアは不思議そうにリヴァイを見つめる。
「あ?俺が笑っちゃいけねぇのか。」
「いえ…兵長とこんなにお話したことが無かったので。噂とは違って優しい方だと思いました。」
嬉しそうに笑っているリア。
それならお前もそうだろ…
リヴァイは昨日を思い返していた。
コイツこんな表情がコロコロ変わる奴だったのか。
エルヴィンが気にいった理由が少しわかった気がした。