第1章 足の不自由な2人
空気が重く、部屋の中は静まり返っていた。
だからその分、ノックの音が大きく響く。
リヴァイにとってもリアにとっても、沈黙を破るその音は救いだったため2人は勢いよく頭を上げる。
「団長!」
「おせぇ!!」
エルヴィンは目を丸くしていたが、嬉しそうに
「もう仲良くなったのか」
と笑っていた。
医者がリアを診察している間、エルヴィンとリヴァイは並んで話しをしていた。
「毎朝こうなのか。」
外は太陽が覗き明るくなっている。
「いや、普段は他に頼んでいる。今日はリヴァイがいるからな。私が仲介にいないと話さないと思っていたんだが…そうでもなかったようだな。」
…。
「私はこれから仕事がある。リヴァイは午前はリアといるんだ。午後からは仕事に戻ってもらうが…。」
「午前の分はどうすんだよ。俺もそんなに暇じゃない。」
「……ハンジにまわしておこう。」
遠くでクシャミの音がした。