第1章 足の不自由な2人
「ちっ、あいつどこ行ったんだよ。」
エルヴィンが部屋を出た理由がわからず、リヴァイはとりあえず椅子に座った。
「…お医者様を呼んで来てくれるんです。」
リアはスープを口に入れている。
「なんで最初から連れて来ねぇんだよ。二度手間だろうが。」
「私が…一度怪我をさせたから。」
リアの言葉にリヴァイは目を丸くするが、リアは構わず続ける。
「以前は、お医者様と兵士の方が来てくださっていたんです。でも、一度自分のことがわからなくなったことがあって。その時に…随分暴れたらしいんです。」
リアは手を止め、リヴァイを見て引きつった笑みをこぼす。
「らしいって…。」
リヴァイもリアを見る。
「そのことすら覚えていません。私最低ですよね。都合のいいことばかり忘れて…。」
「…いいから飯を食え。」