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遠い花

第2章 水


「ぁ…えと…」
「高槻百合ちゃん。俺と同じ高2で夏休みの間は岩鳶に住むんだって。それでね、今日は暇だって言うから誘ったんだ。」
言葉に詰まっていると橘さんが助け舟を出してくれた。
「へぇー!!僕は葉月渚!よろしくね、百合ちゃん!」
この子も下の名前で…なんだろう、この町は恋愛ゲームにでも出てきそうな流ればっかりだ。やったことないけど。
「こら渚君!この学校の方ではないといっても先輩ですよ。初めまして、僕は竜ケ崎怜といいます。岩鳶高校1年なので貴女より年下です。渚君も1年生です。」
「怜ちゃん長いーっ」
「長いとは失礼ですね!丁寧な自己紹介は礼儀です!」
私よりも背の高い2人がぷんすかと言いあっている様子はなんだか小学生みたいで可愛かった。
「私はマネージャーをやっています!松岡、こうです!」
「えーっ江ちゃん嘘はダメだよー!」
「あーっ!!渚くんなんで言っちゃうのよ!!」
「この方は松岡、ごうさんです!」
「もー!!怜くんまで!!!」
結局のところ松岡さんの名前は"ごう"というらしい。ごうちゃんって呼ばれるの嫌なのかな?可愛いのにー。
「百合ちゃん」
ふと呼ばれて橘さんを見る。橘さんはハルと呼ばれていた男の子を指した。
「七瀬遙。俺たちと同じ2年で俺の幼馴染だよ。ほらハル」
「七瀬…遙だ。」
「あ…高槻百合です。よ、よろしくお願いします。」
七瀬さんは名乗ってすぐそっぽを向いてしまった。
私と同じで人見知りなのかな…。
「よーし!自己紹介も終わったし、始めようか。」
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