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遠い花

第1章 花


「ほんとにごめんなさい…。突然驚きましたよね…?」
座り込んだままの態勢でとりあえず謝るとその人は手を差し伸べてくれた。
てゆーか、さっきは逆光で良く見えなかったけど…この人、めっちゃかっこいい!!
「ううん。こっちこそごめんね…突然声なんかかけて。そりゃあびっくりするよね」
「いや…そうですけど。もう大丈夫ですよ」
そう言いながらその手を掴むのを躊躇った私は自分で立ち上がる。
そういえば…
「お兄ちゃんって、貴方のことですか?」
「お兄ちゃん?」
「さっき、蓮くんって男の子ともう1人女の子にあったんですけど…」
お兄ちゃんって言って走っていったこと。そのあとに声をかけられた事を話した。
男の人はあぁと頷く。
「うん、そうだよ。あの2人は俺の弟と妹。双子なんだ」
双子かぁ…。可愛かったな、あの子達。また会えるかな……あ!
「あの!この辺に住んでるんですよね?」
「うん。ほら、あそこ」
男の人が指さした先はなんと!
「隣の家⁉︎」
「え?隣って…?」
その人は不思議そうに眉を寄せた。その仕草は何故かとても可愛くみえて胸が弾んだ。
「あ…えっと。夏休みの間ここに住むことになったんです」
「そうなんだ…!よろしく…そういえば自己紹介してないよね?俺は橘真琴。よろしくね」
「よろしくお願いします。私は高槻百合です」
「そっか百合ちゃん!」
ドキっとした。
な、名前呼びとか…!反則っ…!!
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