第4章 炎と風
「え?!エリゴールの狙いって定例会だったの?!」
「なっ、じっちゃんが?!」
外に出ても変わりはなく、魔風壁が駅を覆ったまま。
広い場所に出た私たちはナツとルーシィにエリゴールの本当の目的を話した。
外に出れば、追いつけるのに。
「くそ、こんなもん突き破ってやらぁ!!」
何度も何度も殴ったり蹴ったりするが、そのたびにナツの体に傷が増えるだけ。
「ナツ!」
「バカ野郎。力じゃどうにもなんねぇんだよ。」
「急がなきゃまずいよ!あんたの魔法で凍らせたりとか、ヴィナの魔法で壊すとか解除するとかできないの?!」
「できたらとっくにやってるよ。」
何も出来ることがなく唇をかみしめる。ナツはまだ魔風壁を壊そうと果敢に飛びかかっている。
「ちょっとやめなさいよ!バラバラになっちゃうわよ!!」
「くそっ、どうすればいいんだ!」
「ナツ止めなさいって!」
再び飛びかかろうとするナツを、ルーシィが後ろから抱きしめた。とたん、ナツが大声をあげ、何事かと視線がナツに向かう。
「そうだ星霊!エバルーの屋敷で星霊界を通って場所を移動できただろ?」
「いやぁ…普通は人間が入ると死んじゃうんだけどね…息ができなくて。それに扉は星霊魔導師がいる場所でしか開けないのよ。」
「は??」
「つまり、星霊界を通ってここを出たいとしたら最低でも駅の外に一人星霊魔導師がいなきゃ不可能なのよ。」
「ややこしいな。いいから早くやれって。」
「出来ないっていってるでしょう!?もう一つ言えば、人間が星霊界に入ること自体が重大な契約違反!あの時はエバルーの鍵だったからよかったけどね…」
「うん、意味わかんね。」
「エバルーの…鍵?」