第3章 3 妖精たちは風の中
「開け!巨蟹級の扉!キャンサー!」
「今回も戦闘か?エビ。」
「ばしっとキメちゃって。」
ルーシィの声が響き、星霊が姿を現した。
キャンサーは一気に相手の髪の毛を河童に剃り、戦意喪失させた。
「やるじゃないか。」
「そ、それほどでも~。」
「しかし、語尾が気になるな。」
「エビってなによ。エビって。チョキでいいじゃん。」
「お主ら、脱線しておるぞ。周りを見ろ。」
エミアの声にはっとエルザと二人、顔を引き締める。
さっきので幾らか数が減ったとはいえ、ギルド一つ相手にしているのだ。まだまだ、終わりが見えそうにない。
「面倒だ。一掃する。」
「おっけー。」
エルザは鎧を換装し、無数の剣達は一瞬にして相手を倒した。
エルザがまだ宙に浮いているのを横目で確認し、両手を包みこむように向かい合わせる。
「水に脅え、氷に凍てつけ。凍風(コールド)。」
手のひらを相手に向けるとそこから生まれた氷を含んだ巨大な水の渦巻きが相手を飲み込み、そして無様にも地に落とされていく。
「エルザ…ヴィナ…まちがいねぇ、こいつらフェアリーテイル最強の女、妖精女王ティタ―二アのエルザと、妖精獣メリュジ―ヌのヴィナだ!!」