第3章 3 妖精たちは風の中
何もしていない私に優勢を見たのか、一気に攻めてくる。
だが、先頭の一人が足を滑らし次々尻もちをつき始めた。
「なんだ?!」
きょとんとしている様子が馬鹿らしくって思わず声をあげて笑った。
足元には綺麗に氷が張られている。
「だっさ…転ぶとか…」
「氷の魔導師か!これでも喰らえ!」
迫りくる炎。だけど、ナツほどではない。
炎は私の水であっさりと消火され、跡形もなく消えてった。
「水に炎は聞かないんだよ?」
「水の魔法?!」
「ヴィナ!遊んでないで仕事をしろ!」
「はい!」
一喝され、真顔になる。やっぱりエルザは怖いわ…